I'll protect you.
第38章 いつか、また……
『……コウ…キく…ん?』
掴まれていた私の腕をコウキ君は握り、コウキ君は自分の後ろに私を誘導した
「ユウを脅して口封じさせようとしても無駄だ」
「……チッ!!」
コウキ君の表情は見えないけど、地を這うような低い声で私ですら体が動かない
「シンが俺だけを学校に行かせてたのはユウのボディガードの為だ。
俺らのボスを舐めないでほしいね。
お前がユウを脅すことなんて予想範囲内なんだよ」
「……。」
コウキ君は私の方に向き直って私の肩を抱いた。
その顔は余裕に満ち溢れたような、お兄ちゃんを嘲笑うかのようだった。
「もうすぐお前にお迎えがくるよ。
せいぜい、まとも言い訳でも考えとけよ」
コウキ君は私を連れて、お兄ちゃんとは反対方向へと歩き出した。