テキストサイズ

ショートラブストーリー

第6章 祐香(ゆか)

友喜があたしを抱き締めて、頭を優しく撫でてくれる。

それだけでほっとして、友喜の背中に手を回した。

薄いバスローブ越しに友喜の体温を感じる。

「友喜…大好きだよ…」

あたしの囁きに友喜の体がビクッと震える。

ゆっくりと友喜を抱き締めて、友喜の胸に頬を付けて目を閉じると、涙が一粒こぼれ落ちた。

「…初めて聞いた」

「何が?」

「祐香ちゃんから、好きって言ったの、初めてだ」

「…そうだっけ…?」

改まって言われて、なんだか照れくさくて、あたしは友喜の胸に顔を埋める。

「祐香ちゃん。顔見せて」

「…やだ」

「じゃあ、キスしてもいい?」

「…何でそこで、じゃあ、になるのよ!?」

「祐香ちゃんが可愛いから」

「……」

あたしは絶句するしかなく…友喜、ずるいよ。

友喜の背に回した手を肩に移動して、あたしは目をつぶったまま顔を上げた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ