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ショートラブストーリー

第7章 高橋②

……何だかおかしい。

店の中の雰囲気がいつもと違う。

店の中の、って言うか…

ちらりと喜美子さんを見ると、みどりさんと顔を付き合わせてひそひそ話をしている。

……あの二人が、だ。

「高橋、何で顔しかめてんだ!?」

オーナーが不思議そうに声をあげた。

「…あれ、何なんですかね?」

俺が顎で二人を指し示すと、あぁ、と納得の表情を浮かべた。

「女同士の話だろ?気にしたらきりがないぞ」

「…いや、話題がどうも俺っぽいんですよ」

さっきからチラチラこっち見てるし。目が合うと変な笑顔浮かべて、また二人で話してるし。

「ほぉ~、お前、何かしたのか?」

「身に覚えございませんから!!」

ニヤニヤと俺を見て、オーナーは

「ちょーっと混ざってくるな」

と、楽しげに喜美子さん達の中に混じっていった。

…おいおい。気にしたらきりがないんじゃないのかよ。

俺はなるべく平静を装って…でも意識だけはそっちに向けてカップを並べていた。


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