ショートラブストーリー
第7章 高橋②
「あんた、高橋っての?」
カフェラテを運んだテーブルに一人で座ってる男にいきなり問われ、一瞬動きが止まった。
「…はい、そうですが」
「ふぅん。…あんたが、ね」
そう言って男は顎を上げると、何の躊躇もなくジロジロと俺を見る。
こいつ、一体何なんだ?
初めて見る顔だ。
ちょっと長めの前髪から覗く目は切れ長で…細身の体つきからしてキツネを連想させる男。
「何かございましたか?」
俺は笑顔を浮かべて男に問いかけた。
「あんたを見に来たんだ」
「…は?」
「真由美の彼氏面してる奴の顔を見に来た」
そう言ってニヤリと笑う。
「はぁ!?」
「喫茶店で働いてるって言うからもうちょっとナヨナヨしてる奴かと思ったら、そうでもないんだな」
独り言のように呟いて、カフェラテを飲む。
「あ、旨いじゃん」
「それはどうも…」
思わず眉をひそめてしまう。何が目的なんだろ。
「俺さ、亮(りょう)っての。覚えといて」
ちらっと俺を見て笑いを浮かべると、ポケットから取り出した携帯を構いだした。
「…ごゆっくりどうぞ」
腑に落ちないものの、俺はその場を離れたんだ。
カフェラテを運んだテーブルに一人で座ってる男にいきなり問われ、一瞬動きが止まった。
「…はい、そうですが」
「ふぅん。…あんたが、ね」
そう言って男は顎を上げると、何の躊躇もなくジロジロと俺を見る。
こいつ、一体何なんだ?
初めて見る顔だ。
ちょっと長めの前髪から覗く目は切れ長で…細身の体つきからしてキツネを連想させる男。
「何かございましたか?」
俺は笑顔を浮かべて男に問いかけた。
「あんたを見に来たんだ」
「…は?」
「真由美の彼氏面してる奴の顔を見に来た」
そう言ってニヤリと笑う。
「はぁ!?」
「喫茶店で働いてるって言うからもうちょっとナヨナヨしてる奴かと思ったら、そうでもないんだな」
独り言のように呟いて、カフェラテを飲む。
「あ、旨いじゃん」
「それはどうも…」
思わず眉をひそめてしまう。何が目的なんだろ。
「俺さ、亮(りょう)っての。覚えといて」
ちらっと俺を見て笑いを浮かべると、ポケットから取り出した携帯を構いだした。
「…ごゆっくりどうぞ」
腑に落ちないものの、俺はその場を離れたんだ。