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ショートラブストーリー

第7章 高橋②

その頃



「はい…はい…あ、大丈夫です。はい…お願いします」

携帯の通話を切って、大きく息を吐いた。

「今の、なんの電話?」

風呂上がりの喜美子が、まだ濡れた髪をタオルで拭きながら聞いてくる。

「警備会社。まだロック掛からないから点検に行きましょうか、って」

「え?まだ店にいるの!?」

壁掛け時計を見る喜美子に、

「ま、12時過ぎるようなら見回りするって話だから、それまでにはあいつらも帰るだろ」

携帯をテーブルに置き、喜美子の側に寄る。

「心配させた分、お仕置きしてやるか?」

「…どんな?」

「そりゃ、こんな時間まで何してたか聞き出すとこから始まるわな」

喜美子がくすっと笑うと

「哲夫さん…エッチ」

「俺は話を聞くって言っただけだぜ。…何想像してんの?」

「多分…同じこと」

顔を見合わせて笑いを浮かべると、どちらからともなく唇を合わせた。

「なぁ…あいつらもよろしくしてるみたいだし…俺らもどう?」

「髪、まだ乾かしてないしなぁ」

「後でやってやるって」

喜美子を抱きしめて、パジャマのボタンに手をかけた。



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