ショートラブストーリー
第8章 美帆(みほ)①
「…悪かった」
真剣な口調に驚いて倉田さんを見た。
何でこの人はこういう時に急にしおらしくなるんだろう?
「… もう、いいです」
頬にこぼれた涙を拭って、その場から立ち去ろうとすると、不意に手を掴まれた。
「なっ…何ですか!?」
「お前さ、21だろ?今まで何してたんだよ」
「はい!?」
「暗黒の学生生活かよ。もったいねぇなぁ」
…でもやっぱり俺様な所は変わらないんだね…
「勝手に人の過去を決めつけないでください!」
振り払おうとするのに、掴まれた手が強くて離れない。
「彼氏いなかったんだろ?」
「だから…何ですか!?」
もう誤魔化せない。何言っても今さらになりそうで…
「よし、認めたな」
倉田さんがニヤリと口元を歪めた。
「決めた。作戦変更する」
「は…?」
「お前のスペックに合わせてレベル下げるわ」
「あの…何の話ですか…?」
突然の話の展開についていけなくて、つい聞き返してしまった。
「まぁ、任せとけよ」
そこでようやく手を離された。
掴まれた部分を撫でていると
「その代わり、今日は諦めろよ」
「何を!?」
「課長とヤルの」
さらりと言われて、一瞬理解できなかった。
「…だっ…誰もそんな事望んでませんから!!!」
「うわ、顔真っ赤!!かーわいー」
「倉田さん!!」
笑いながら宴会場へ戻っていく倉田さんの後ろ姿を見ながら、あたしはこれから何が始まるのか漠然とした不安にかられたのだった…。
とりあえず、おわり。
真剣な口調に驚いて倉田さんを見た。
何でこの人はこういう時に急にしおらしくなるんだろう?
「… もう、いいです」
頬にこぼれた涙を拭って、その場から立ち去ろうとすると、不意に手を掴まれた。
「なっ…何ですか!?」
「お前さ、21だろ?今まで何してたんだよ」
「はい!?」
「暗黒の学生生活かよ。もったいねぇなぁ」
…でもやっぱり俺様な所は変わらないんだね…
「勝手に人の過去を決めつけないでください!」
振り払おうとするのに、掴まれた手が強くて離れない。
「彼氏いなかったんだろ?」
「だから…何ですか!?」
もう誤魔化せない。何言っても今さらになりそうで…
「よし、認めたな」
倉田さんがニヤリと口元を歪めた。
「決めた。作戦変更する」
「は…?」
「お前のスペックに合わせてレベル下げるわ」
「あの…何の話ですか…?」
突然の話の展開についていけなくて、つい聞き返してしまった。
「まぁ、任せとけよ」
そこでようやく手を離された。
掴まれた部分を撫でていると
「その代わり、今日は諦めろよ」
「何を!?」
「課長とヤルの」
さらりと言われて、一瞬理解できなかった。
「…だっ…誰もそんな事望んでませんから!!!」
「うわ、顔真っ赤!!かーわいー」
「倉田さん!!」
笑いながら宴会場へ戻っていく倉田さんの後ろ姿を見ながら、あたしはこれから何が始まるのか漠然とした不安にかられたのだった…。
とりあえず、おわり。