ショートラブストーリー
第9章 貴史
俊明ってのは美夜子の弟で、今年中学生になったばかりだ。
「おぅ、お帰り」
「貴史にーちゃん、何か久しぶりじゃない?」
「そうか?」
「ちょっと!!ここ、あたしの部屋なんだけど!?」
俊明は、美夜子の抗議も聞こえない振りをして俺だけに照準を合わせて話を進めていった。
「何?ねーちゃんに勉強教えてんの?ちょうど良かった!!俺も教えて欲しいとこあるんだけど」
そう言って、学生鞄から教科書を出そうとし始めたので、
「待てよ。ここじゃ狭いから下降りよう」
俺の提案に、美夜子が小さく不満の声を上げた。
俊明はやったぁ!!とガッツポーズをとり、
「OK!…あ、クッキーうまそう~!」
と、机の上のクッキーをめざとく見つけた。
「じゃ、それ持って先行っててくれよ」
「はーい!!」
クッキーを包みごと全部持って俊明が立ち去ると、美夜子が部屋のドア越しに俊明を睨み付けていた。
「何あれ!?あたしと態度違いすぎない!?」
「そうか?いつもあんな感じだぞ」
「たかちゃんは尊敬されてんだよ」
美夜子は溜め息をつくと、あーあ、と不満げに声を洩らす。
「もう!!…せっかくたかちゃんと二人きりだったのに…」
「まぁ、しょうがないさ。下でも最後まで勉強見てやるから」
ポンポンと頭を撫でると、美夜子が俺の顔を覗きこみ
「それだけじゃないの…分かるでしょ?」
上目遣いでみるなってーの!!
「ほら。行くぞ」
「おぅ、お帰り」
「貴史にーちゃん、何か久しぶりじゃない?」
「そうか?」
「ちょっと!!ここ、あたしの部屋なんだけど!?」
俊明は、美夜子の抗議も聞こえない振りをして俺だけに照準を合わせて話を進めていった。
「何?ねーちゃんに勉強教えてんの?ちょうど良かった!!俺も教えて欲しいとこあるんだけど」
そう言って、学生鞄から教科書を出そうとし始めたので、
「待てよ。ここじゃ狭いから下降りよう」
俺の提案に、美夜子が小さく不満の声を上げた。
俊明はやったぁ!!とガッツポーズをとり、
「OK!…あ、クッキーうまそう~!」
と、机の上のクッキーをめざとく見つけた。
「じゃ、それ持って先行っててくれよ」
「はーい!!」
クッキーを包みごと全部持って俊明が立ち去ると、美夜子が部屋のドア越しに俊明を睨み付けていた。
「何あれ!?あたしと態度違いすぎない!?」
「そうか?いつもあんな感じだぞ」
「たかちゃんは尊敬されてんだよ」
美夜子は溜め息をつくと、あーあ、と不満げに声を洩らす。
「もう!!…せっかくたかちゃんと二人きりだったのに…」
「まぁ、しょうがないさ。下でも最後まで勉強見てやるから」
ポンポンと頭を撫でると、美夜子が俺の顔を覗きこみ
「それだけじゃないの…分かるでしょ?」
上目遣いでみるなってーの!!
「ほら。行くぞ」