ショートラブストーリー
第9章 貴史
「あの…もらってきたやつ?」
そういえばあの日の夜も何かおかしかったよな。
俺の問いに、美夜子がうん、と頷いて
「あたし、たかちゃんが甘いもの嫌いだって事も、どんなクッキーなら美味しいって食べてくれるのかも知らなかった」
あぁ…。そんなに菓子食わないから分かんなかったかもな。
「結構ショックだったんだよ!?長い間一緒にいるのに、知らないことだらけなんだなって」
ちょっと待て。そこまで深刻になる話なのか!?
「それで…これを作ったのか?」
「うん。榊原くんにたかちゃんが好きそうなアレンジ加えたレシピ教えてもらって」
「へぇ…」
榊原の奴。どんだけ人がいいんだよ。
つーか、あいつが『俺の好み』ってレシピ作れるってのも、実際俺が食べてみて『俺の好み』だったのも…何て言うか…
すげぇ奴。
「それに、たかちゃん言ったでしょ?料理上手な人はずっと美味しいもの食べれるって」
「あ、あぁ」
そういえばそんな事言ったな。
あれは、食べることに困らなくていいだろう、くらいの話だったんだけど。
「今すぐは無理だけど。少しずつたかちゃんの好きな味、覚えるから」
「は…?」
「たかちゃんがこーゆーの食べたいって言ったときに、すぐに作れる人になるからね」
「美夜子?」
話の意図が掴めなくて、ポカンとした顔で見つめると、
「そしたら、たかちゃん、一人でご飯食べなくていいし、ずっと美味しいもの食べれるでしょ?」
そう言って、にっこり微笑んだ。
そういえばあの日の夜も何かおかしかったよな。
俺の問いに、美夜子がうん、と頷いて
「あたし、たかちゃんが甘いもの嫌いだって事も、どんなクッキーなら美味しいって食べてくれるのかも知らなかった」
あぁ…。そんなに菓子食わないから分かんなかったかもな。
「結構ショックだったんだよ!?長い間一緒にいるのに、知らないことだらけなんだなって」
ちょっと待て。そこまで深刻になる話なのか!?
「それで…これを作ったのか?」
「うん。榊原くんにたかちゃんが好きそうなアレンジ加えたレシピ教えてもらって」
「へぇ…」
榊原の奴。どんだけ人がいいんだよ。
つーか、あいつが『俺の好み』ってレシピ作れるってのも、実際俺が食べてみて『俺の好み』だったのも…何て言うか…
すげぇ奴。
「それに、たかちゃん言ったでしょ?料理上手な人はずっと美味しいもの食べれるって」
「あ、あぁ」
そういえばそんな事言ったな。
あれは、食べることに困らなくていいだろう、くらいの話だったんだけど。
「今すぐは無理だけど。少しずつたかちゃんの好きな味、覚えるから」
「は…?」
「たかちゃんがこーゆーの食べたいって言ったときに、すぐに作れる人になるからね」
「美夜子?」
話の意図が掴めなくて、ポカンとした顔で見つめると、
「そしたら、たかちゃん、一人でご飯食べなくていいし、ずっと美味しいもの食べれるでしょ?」
そう言って、にっこり微笑んだ。