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ショートラブストーリー

第10章 美帆②

倉田さんに『協力してやる』って言われたものの。

なかなかそんなチャンスにも恵まれず…

気付けば、もうすぐ2月になろうとしていた。




「なぁ。お前、当然渡すよな?」

「何をですか?」

「相変わらず鈍いな。2月っつったら何だよ!?」

「バレンタイン…ですか?」

あたしが眉を寄せて答えると、ハッとため息つかれて

「ここまで言わなきゃ分からねぇの!?きっかけ作る機会だろ」

呆れた顔で告げられて、あたしはますます眉を寄せた。

協力と言いながら、倉田さんは色々助言をしてくれる。

普通ならありがたいことだし、何でこんなに世話やいてくれるのか疑問に思う所だろう。

けど。

あたしは正直ありがたくない。

何故って…

その助言が、実行不可能なものばかりだから!!

そして、言ってる倉田さん自身もそれを自覚してて…

要は、あたしの反応を楽しんでるんだよね。

あたしとしては、それがありありと解るのが面白くない。

「毎年、部署の女性一同からってあげてますけど?」

「お前、アホだろ。個人的にやれよ」

「皆でって渡して、私からですってもう1つ渡すんですか?」

「普通、そうじゃねぇの?俺、毎年そうだぜ?」

へぇ~、もてるんですね。プチ自慢ですか!?

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