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ショートラブストーリー

第10章 美帆②

「いいじゃねぇか。周りも渡してんだから気楽に渡せるだろ!?」

「それは…まあ…」

「直接言えなきゃ、手紙付けるとか」

何だろ。今回はやけにマトモじゃない!?

「手紙まで重くなくても、メッセージカードくらいでも…って何だよ!?」

あまりにもまじまじと見つめたせいか、倉田さんが眉をあげた。

「ううん…今回は具体的だな~って」

「あぁ…そういうの、貰ったから」

…やっぱりプチ自慢ですか!!

「で、それを真似しろと?」

倉田さんを好きな女の子の真似なんてしたくないんだけど。

「一つの例として言ったまでだけどな」

何でこの人はいつでも上から目線なんだろう。

「もしかして…処女には難しいか?」

「はあぁ!?」

さらっと、何てこと言うんですか!?

「そんな難しい話か?チョコ渡すなんて、今どき小学生でもするだろ!?お前は幼稚園児か」

「驚いたのはそこじゃなくて!!」

「あ!?」

「なっ…何で、しょ…しょ…」

「やっぱりお前、処女か」

あたしの反応をみて、倉田さんはニヤリと笑った。

「処女はめんどくさいからな。手を出されにくいだろうけど、ま、頑張れよ」

「倉田さん!!」

倉田さんを睨むけど、あたし絶対顔真っ赤だ。こんなんじゃ凄みも何もないじゃない!!

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