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ショートラブストーリー

第10章 美帆②

課長がくすっと笑い声をこぼした。

「そんな事言うと、良いように解釈するよ?」

ちらっと横目に流された視線にドキッとする。

あぁもう!!どうしたらいいの!?

「北方さんの家、この辺?」

「あー、あのアパートです」

あたしが指差す方向へ車を走らせ、アパートの前まで送ってくれた。

良かった…。これ以上あったら心臓がもたないよ…。

「ありがとうございます」

シートベルトを外して課長を見ると。

課長がスッと手を伸ばし、あたしの髪を撫でた。

え!?

「嫌なら撥ね付けて」

課長の手が、髪から頬に移動する。

冷たい指先で頬を優しく撫でられて…あたしは固まったように動けなかった。

課長の視線から目をそらせない。

課長の顔が近づいてきて…あたしは目を閉じた。

さっきより長いキス。

一度離れたと思ったら、啄むように何度も繰り返しキスの雨が降り注がれる。

くすぐったいと思ってた感触が、だんだんと気持ちよくなってきた。

課長にされてるんだと思うとドキドキして、頭がぼうっとしてくる。

自然に緩んだ唇を、深いキスで塞がれた。

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