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ショートラブストーリー

第2章 高橋

…あれ?ちょっと待てよ!?これってまさか…

「え…?」

俺に、言ってる!?マジで!?

「ご、ごめんなさい!!急に変なこと言って…。忘れて!さよなら!!」

真由美ちゃんは早口で告げると大慌てで出て行こうとする。

「待って!」

俺も惚けてる場合じゃないだろうが!!

俺は真由美ちゃんの腕を掴んで引き寄せ、そのまま抱きしめた。

「え、と…。高橋さん…?」

俺の腕のなかで硬直してる。唐突すぎるよな。だけど、あんな事言われてうやむやに出来るほどオトナじゃないんだ。

抱きしめたまま耳元で囁いた。

「もう一度ちゃんと言って」

変な事じゃないだろ。忘れていい話でもないだろ。

ちゃんと真由美ちゃんの声で聞きたい。

ぎゅっと抱きしめると、真由美ちゃんはひとつ息をつき、震える声で告げた。

「…高橋さんが…高橋さんの事が、好きなんです…」

何だよ、この破壊力は!!

吐息混じりの告白に、俺の心臓鷲掴みされたみたいにぎゅっと痛くなった。

抱きしめる力を緩めて、真由美ちゃんの様子を窺う。

顔を伏せて表情は見えないものの、耳と首筋が真っ赤で照れてるのが丸分かりだ。

…可愛すぎだろっ…!

「…俺も」

「…え…」

「俺から言おうと思ってたのに。ずっと前からいいなって思ってた」

真由美ちゃんは驚いた顔で俺を見上げた。

やっぱり顔赤くなってる。可愛い。

「気付かなかった?」

思えば、真由美ちゃんは別格扱いしてたような気がする。

「そうだったらいいな、って…思ってた」

目を潤ませて、 頬赤くして微笑まれたら。

俺、完全に落とされました…

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