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ショートラブストーリー

第12章 瑛大(えいた)

「よ…っと」

ベットに浅く座り、おんぶしている北方さんの腕を弛める。

そのままゆっくりと横向きに寝かせると、コートを脱がして様子をうかがった。

公園にいた時は青白いような顔色だったのに、今はだいぶ良くなったようだ。

あ、でも髪が濡れてるな。

風呂場からタオルを持ってきて、起こさないように優しく拭く。

それにしても…よく寝てるな。

全く起きる様子のない北方さんに、思わず笑みをこぼす。

公園のベンチで寝てしまって…すぐ起きると思って暫くそのままでいた。

まさか雨が降るなんて。

起きる気配のない北方さんを背負って、ここに入ったけど…

この状況。

あまり、良くはない…よな。

北方さんが目を覚まして、自分がラブホテルのベットに寝かされてるって気付いたら…どうなんだろうか。

「まぁ…仕方ないよな」

北方さんの家までは距離があるし。

公園を出て辺りを見渡したら、ここが目に入ってしまったからだし。

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