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ショートラブストーリー

第4章 美夜子(みやこ)

「で?何が分からんの!?」

「…方式の解き方…」

「……教科書読めよ!」

「それが分かんないんだってば!!」

あたしは貴史と違って頭の出来がよくないって自覚してるし。

「…今から一から教える時間も気力もないから、とりあえず問題解くぞ」

「あ、うん。それでお願いします」

プリントさえ出来ちゃえばそれでいいし。貴史がやってくれるならさっさと終わっちゃう。

すると貴史はあたしを椅子に座らせた。…あれ?

「たかちゃんやってくれないの!?」

「ふざけんな。字でバレんだろ!?自分で書け」

…だよね~。



それから、貴史が問題を解いて、口頭で読み上げる式と答えを書き込む作業が続いた。



やっぱ貴史は頭がいいなぁ。問題解くのも全然悩まないですらすら解いちゃう。

でもなぁ…。

数学だから?プリントの文字か小さいから?

あたしの顔のすぐそばで真剣な表情で問題解いてる貴史に、ドキドキして仕方なかった。

何だか知らない男の人みたい…妙に、カッコいいんだけど!?



何だか、あたし、変だ。


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