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ショートラブストーリー

第5章 遥(はるか)

「俺的にははるかのすっぴんも寝顔も見れてラッキーだったけど?」

微笑んでそんな事言われると…照れるんだけど!!

「んで次の日になったらはるかはよそよそしいし、魚市場は部長に邪魔されるし…結局旅行中に言えなくてさ」

「じゃ…つまんない旅行だった?」

「全然。はるかと一緒だから楽しかった。はるかは?」

「色々あったけど…終わりよければすべて良し、かな?」

くすくす笑ってお茶飲んで…こんな時間が一緒に過ごせるなら、いいよね。

「あ、そういえば。運んでくれたとき、何でごめんって言ったの?」

「え?…それで起きたんじゃなかったんだ」

慶太はちょっと考えると、私を抱き上げた。

「きゃっ!!な、何?」

「あん時もこうやって抱っこして行って」

そしてそのまま歩き出すと、寝室に入り、私をベッドに降ろした。

「こうやって寝かせた時、あんまり可愛かったから」

ちゅっ、と唇が触れる。

「こういう事、しました。ごめんね」

一気に顔が赤くなった。慶太はニコニコ笑うと

「思った通りの反応してる。可愛い」

そう言って、何度もキスをしてくる。

「やぁ…慶太、嘘つき…」

「ん?何が?」

「だって、さっき…何もしないって…」

私のせめてもの抗議も

「はるか、時計見て。…12時過ぎたからもう次の日です」

今日は満足した、ってそういう事なの!?

「それとも、やだ?やめる?」

「…めちゃくちゃ意地悪…っ!!」

私は慶太を抱きしめると、甘い甘い一日の始まりを迎えた。



おわり





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