おれのペット
第8章 病院2
病室は静かだった。
「おれのこと…覚えてる?」
無音の病室に声が響き渡る。
ちょっとしてから
「・・ごめんなさい」
と一言だけいった。
その声はさっきまでと真逆で弱々しかった…
病室の静けさに心が痛くなる…
「ごめん…
責めるつもりはない」
そうして
また沈黙が流れる。
なんて話せばいんだろう…
さっき一真と話していた時のように…
笑顔になってほしい。
「…ねぇ新城くん?」
急に話しかけられびっくりする。
「な なに?」
「私たち…
付き合ってたんだよね?」
「あぁそうだょ」
「なら、思い出話ききたいな…」
「えっ…」
こんなこと
聞かれると思わなかった。
でも、嬉しかった。
「あの…聞いたら思い出す
かもしれないから…」
「あぁいいよ。
いっぱい話してやる!」