まとまらないお話たち
第2章 2
すぐにその登場がわかった時点で立ち去ってしまえばいいものを、私の脚はそこから動かない。
早く行かなきゃいけないのに…またこんな、一緒にいるところをあの犯行グループに見られでもしたら。
「山郷してみる?」
「イヤです」
残念そうに笑いながらも近付いてきて、半ば強制的にメガネをかけようとする。
…ああ、そうだ。
こんな調子だから藤堂はファンが多い。
白衣が似合うというのもそうだけど、でも若さや見た目だけじゃない。
かざらない性格が皆好きなんだ―――――。
(プラス、ビミョーに抜けているところが)
「っ!」
「今日もまたひどいな…」
そしてフザけていると思ったら急にこんな真顔になったりして。
頬の傷を見ているだけ。
それはわかるけど。
整った顔立ちがすぐソバにあるのは、やっぱりドキドキとしちゃうもの。
……たぶんこのギャップに弱いんだと思う、女子の多くは。
「俺が傷の手当て、してやろうか?」
「べ、ぁっ…別に良いですよ…!」
ぬるりとやわらかい舌が頬をなぞってすり傷にチリッと痛みが走る。
…いつも思うんだけど、この人自分のしていることわかってるのかな…?
(この間なんか普通にモモの傷見たし。すぐにその顔を蹴り上げたけど)
「…いたいのいたいのとんでいけー」
「…………」
でも、他意がないのはわかる。
…こんな子供騙しなことやってて…。
バカじゃないの…。
「!」
「べつに良いですから…それにもう帰ります。モタモタしていると日が暮れちゃいますし。先生、さようなら」
頬を未だになでていた藤堂の手を払いその横を通る。
二度目の脳内で鳴り響く警告のサイレンに目が覚めた。
早いトコこの場を退避しないと。
じゃないと明日から重傷決定しちゃうよ。
……先生の好意は本当にありがたいんだけど、ね。
「…!」
ちょっとだけ乱暴に、しかもいきなり手を払っちゃったからかさっき目を見開いた藤堂。
でも、そんな彼の行動に今度は私が驚く番。
「まだいろよ。大丈夫、ここ意外と外からは見えないから」
引く腕の強さに、夕焼け色にそまってキレイに見える髪。
白衣やスーツはある程度男をカッコよく見せるらしい。
ある程度…『あるていど』。
必死に心の中で暗示。
「それに校舎の方も、ここ来る前に片付けといたから戻っても大丈夫だよ」
かたづけた、は多分生徒のこと。
「…………」
この人はわかっているんだろう。
早く行かなきゃいけないのに…またこんな、一緒にいるところをあの犯行グループに見られでもしたら。
「山郷してみる?」
「イヤです」
残念そうに笑いながらも近付いてきて、半ば強制的にメガネをかけようとする。
…ああ、そうだ。
こんな調子だから藤堂はファンが多い。
白衣が似合うというのもそうだけど、でも若さや見た目だけじゃない。
かざらない性格が皆好きなんだ―――――。
(プラス、ビミョーに抜けているところが)
「っ!」
「今日もまたひどいな…」
そしてフザけていると思ったら急にこんな真顔になったりして。
頬の傷を見ているだけ。
それはわかるけど。
整った顔立ちがすぐソバにあるのは、やっぱりドキドキとしちゃうもの。
……たぶんこのギャップに弱いんだと思う、女子の多くは。
「俺が傷の手当て、してやろうか?」
「べ、ぁっ…別に良いですよ…!」
ぬるりとやわらかい舌が頬をなぞってすり傷にチリッと痛みが走る。
…いつも思うんだけど、この人自分のしていることわかってるのかな…?
(この間なんか普通にモモの傷見たし。すぐにその顔を蹴り上げたけど)
「…いたいのいたいのとんでいけー」
「…………」
でも、他意がないのはわかる。
…こんな子供騙しなことやってて…。
バカじゃないの…。
「!」
「べつに良いですから…それにもう帰ります。モタモタしていると日が暮れちゃいますし。先生、さようなら」
頬を未だになでていた藤堂の手を払いその横を通る。
二度目の脳内で鳴り響く警告のサイレンに目が覚めた。
早いトコこの場を退避しないと。
じゃないと明日から重傷決定しちゃうよ。
……先生の好意は本当にありがたいんだけど、ね。
「…!」
ちょっとだけ乱暴に、しかもいきなり手を払っちゃったからかさっき目を見開いた藤堂。
でも、そんな彼の行動に今度は私が驚く番。
「まだいろよ。大丈夫、ここ意外と外からは見えないから」
引く腕の強さに、夕焼け色にそまってキレイに見える髪。
白衣やスーツはある程度男をカッコよく見せるらしい。
ある程度…『あるていど』。
必死に心の中で暗示。
「それに校舎の方も、ここ来る前に片付けといたから戻っても大丈夫だよ」
かたづけた、は多分生徒のこと。
「…………」
この人はわかっているんだろう。
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