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まとまらないお話たち

第10章 10

紫紺色の着物。
確かにあれは、私が持ってるお内裏様の人形が着ているのと同じ色だった。
顔が同じかはよくわからないけど、目が細く美系だったから人形の顔がそのまま表れたのか。
「うそだ……うそだ」
とにかく真相を突き止めるべく、庭園へ急いだ。
「………っ」
ああ、もうなんでこの学校こんなに広いのよー。
さっきから階段を何度も上がったり下りたり……もう、ぼろいくせに無駄に広いんだから。
「はぁっ…――はぁっ――」
肩で息をぜえぜえ吐きながら。
やっとこさ、たどり着いた庭園……――。
松の木を見上げていた背中が振り返る。
「……おや、迎えに来て下さったのですか?」
その人は。
「……あなたは……」
「我が主ヒナ様。お会いできて光栄です。わたくしは、沢長と申します」
言葉がどうして通じるの。
どうやってここに来たの。
どうやって外に出たの。
なんでお雛様は人形のままなの。
ああもう。
疑問がいろいろ頭の中に浮かんでくるけど混乱して整理できなくて、喉でつっかえて声に出ない。
とりあえず彼は。
彼は間違いなく。

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