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まとまらないお話たち

第11章 11

旅を続けるにつれ、わかったことが1つあった。
近づいてくる人はいるが、なぜかみんな離れていくということ。
喋れないからか。
紙とペンでの会話は煩わしいからか。
確かに夜など暗いところだと見えない。
黒き魔女の話題はタブーとされているから理由も話せないし……。
別にそれほど、ということはないけれど。
なんとなく……さみしかった。
村に帰ろうかとも思ったが足は村ではなく別の道を進んだ。
黒き魔女の情報がつかめることもない。
ただ目的もない、孤独な旅が続いていた。
……そんなある日。
何気なく目にとまった世界中の冒険者が集うというギルド。
そんなことはさらさらないだろうと思いながら、でももし、自分と同じような人間がいたら。
自分の声を聴いてくれる人がいたら。
そう思い――カシューは足を踏み入れた。

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