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まとまらないお話たち

第16章 16

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スランプに陥っているあなたへ。

前略

まず、白い紙を用意します。
大きくても小さくてもOKですが、すっきりしたい方は大きいの、片付けるのが面倒な人はパッと片付く小さいのを、お勧めします。
次に、先をもんのすごっっく尖らせた鉛筆を用意します。
(シャーペンでも別に良いんだけどなんか味気ない気がするから、やめといてね。今回は)
消しゴムは要りません。
消す必要などないからです。

では……利き手とは逆の手で鉛筆を持って下さい。
ここでも特に気取らなくて結構なので思い思いの形で持ちましょう。
人差指と中指の間にはさみ人差指の中腹から親指と人差し指の中程のあたりまで鉛筆を寝かせるようにしても、子供がクレヨンを持つような形で握り拳を作るように手のひら全体でつかんでも、要は書けるように芯先が紙に向いていれば、どんな持ち方だろうと構いません。
そうしたら、背筋をピンとただした良い姿勢を意識していただいて、深呼吸をひとつ。

鉛筆の先を紙につけ、そのままスーッと線を引くように……そう、出来たらそのまま線を繋げる感じで紙の上でひたすら鉛筆を踊らせましょう。
線が重なっていようが、蛇のようにのたうち回る感じだろうが、そのまま続けて下さい。

……そろそろいいかな、と思うところで手を止める。
そして鉛筆を置き、紙を見る。

……どうです?
ただ黒い線ががんじがらめになっただけと思うかもしれませんが、黙々と紙上に芯を滑らせぐちゃぐちゃに落書きしたことで、少しスッキリしたんじゃありませんか?
そんなことはないと仰らずに。
人間、時にはこうして特に意味のない事をする時間も必要なのではないかと私は思うのです。
根気詰めてばかりでは良い作品も生まれないでしょうから……。

ところで紙の処分についてですが、裏面が使える人は次回の為にとっておいて下さい。
空いている隙間があったらもう一回、この行為を繰り返してもよいでしょう。
すぐにゴミ箱行きも可哀想だと思いませんか? 大事な資源ですよ?

では、頑張って下さい。
あなたの今後のご活躍を、期待しております。

早々


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