まとまらないお話たち
第3章 3
「あ、あ、あぅ……」
そうだよな、でも、まさか、28だなんて。
テスト紙に書かれたその数字に一気に撃沈。
だってしょうがないよ、やみくもに書くのもあれだからって、バカ正直にやったらほとんどが真っ白…放課後呼ばれた。
呼ばれたけど…会長に言われた用があるんだっけ。
でも……しょうがないや、今日は断ろう。
なんか委員の仕事よりも勉強を優先しろ、って感じの先生だし……。
「いのり何点だったー? 私、壱夜先生の課題受けたくてわざと手ぇ抜いたのに、30点だったぁー」
マジでショックぅーとか言う友人のリコを横目に。
「…え、いのり28!? やーん、なーにー? いのりも狙ったんじゃなぁい。もー上手いんだから」
リコはいいこ。
ただちょっとミーハーっぽいところがあるけど友達思いで小学校からの親友で、同じ生徒会役員。
けれど今回ばかりはリコの言葉にも冗談で笑えない。
「じゃあ…交換する?」
「えぇー何言ってんのぉ。男と知り合える良いチャンスじゃぁん。いのり全然男と知り合えないんだからさぁ。あ、でもいのりには会長がいたんだっけ? ま、この際2マタでも良いんじゃない?」
……滅相なことを言わないで下さい。
というか私と会長は違う…って、わかっててからかってるんだった、この子は。
「…会長に…言っておいて」
「うん。「他に好きな人ができたみたいです」って言っとくね」
「や、違う……」
あ、行っちゃった。
本当に…恋というか、こういう話にはリコは360度性格が変わるからな…まぁ昔からなので慣れてますが。
「(いいや…行こう)」
他にもクラスに役員の人は何人かいるけど。
他の人に伝言頼む元気もでない……ああ、鐘が鳴った。
「よいしょ…」
重い鞄を持ち上げる。
どこだっけ、確か数学準備室?
とりあえず6限目音楽で音楽室と同じ階だから荷物そのまま持って行っちゃおう……。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える