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まとまらないお話たち

第4章 4


「ありがとうございました」
優しい微笑を浮かべた宿主と、それから扉だけやけに新しくなった宿に最初、仮宿泊することになった日から約7日後の朝。
2人は別れを告げた。
当初はそこまで長く居座るつもりもなかったのだが、…おまけに昼食の分まで頂き。
感謝の気持ちでいっぱい。
やっぱり彼もだけど、優しい。
優しい人ばかりじゃないことはわかってる、けれど、最初に『外の人間』である2人に逢えてよかった。
その気持ちを伝えたくて、後ろ向きに歩きながら、宿主の姿が見えなくなるまで手を振り続けた。
…途中で周りの目があるせいか、「やめろ」と隣の相棒に止められたが。
「お昼、一緒に食べようね」
横から顔色を伺いつつ言うと、彼はこちらへ顔を向けるなり意味のわからない顔をした。

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