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まとまらないお話たち

第5章 5


なんだかんだで置いてきたはずの2人はレピアに追いつき、ロウの必死の謝罪をレピアは受け流し、…そうこうしているうちに20分ほど歩いて3人は街へ着いた。
大通りにある一軒の宿屋の入り口に、リンの結い紐が結びつけてある。
中に入るとどこか不機嫌そうなリンが出迎えた。
「遅」
「ごめんなさいっ。お待たせしちゃいましたー…」
お約束の第一声をレピアは遮り、紐を手渡す。
リンはそれをひったくり、自身の長い髪を後ろで結えながら、
「部屋。2部屋しか残ってねえンだって。ど」
「ーするも何も、俺達は一緒だよなーメイちゃん」
リンの言葉を次はロウが繋ぎ、反論する間を与えることなく今度はしっかりとメイの肩を抱きずるずると部屋まで引きずっていく。
一拍遅れてレピアが状況整理したときにはもう遅く。
「……わ、私たちも部屋……い、行きましょうか、リンさん……」
まさかこんな割られ方だなんて。
まぁ恋人は恋人同士、がフツーなんだろうけど。
なんだか気まずくてリンの顔が見れない。
先に行こうとすると、横から荷物をひったくる手があった。
「あっ」
「先。行ってる」
少しだけ振り向いて告げるリンの手にはレピアの手荷物。
自分の分もあるのに……軽々と彼女は左右の細腕に荷物を抱え奥へと進む。
裾がひらひらの僧衣に身を包むメイとレピアとは違い、リンの恰好は鎧(っぽい服)とマント。
力強い…のは女の子でもアリだから別に気にはならないけど。
「(口調が……まあ、仕方ないかァ…)」
ロウと同室にならなかっただけマシかな。
リンの後ろ姿になんだか複雑なものを感じながらも、レピアは無理矢理そう思うことにした。

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