まとまらないお話たち
第5章 5
来る途中、脱いだコートを手に、部屋に入る一歩手前。
レピアは目をまん丸にし、戸口のところで立ち止まった。
「(だ……だぶる△×◎※…!?)」
もしや、と思ったけど。
なんで1つのベッドに枕2つなんですかかかっ……ぱくぱく。
魚のように口を動かすレピアに特に気にした風もなく、ベッド脇に2人分の荷物を置いたリンはマントを脱ぎ
「……耳栓、いるか?」
「え?」
「…ヤツら…、」
人差し指で壁を指す。
どうやら隣の部屋にメイとロウは泊まったらしいが、
「ここ暫く野宿だったからな。壁薄いのも構わずに派手にヤるんじゃねーの?」
「へ……」
そう言われましても。
なんて返せばいいかわからない。
間の抜けた返事を返すレピアに、リンは片方の唇の端をつりあげた。
「オレ達もする?」
「ッ…!?」
その詞に絶句する間を与えられることなく、腕を引かれ、レピアの体が倒れる。
持っていたコートがバサリ、と自分同じくベッドの上に落ちた。
「ちょっ…リンさん!」
慌てて起き上がろうとするも、あろうことか思ったよりも強い力にそのままベッドに縫いとめられてしまう。
「わ……私、女の子とはできません!!」
白い肌の顔が近付いてきて、睫毛の長さに感心しつつもぶんぶんと顔を左右に振った。
「(こっ…このままじゃ本来のベッドの使用目的まんまになっちゃうぅーっ)」
……って、ソレ…なに…?
自分で自分の言ってる意味がわからなくなりつつも、レピアは両手を振り続けた。
リン……言葉だけ聞いてれば男に見えなくもないけど。
でも声は確かに女の子だし。
顔つきも可愛い。
背丈も同じぐらい。
ムネだってちゃんとある……どころか、自分よりある。
少し悲しい。
…じゃなくて!
「絵…的に、どうかと思いますっ。もし2人に見られたら――」
そういうプレイが好きなのかと変な目で見られてしまう。
いや、それはリンも一緒なのだが。
何か巧い言葉が思いつかないかと思考回路をフル回転させていると。
「……男ならイイんだな?」
「え。」
まさかの言葉に、レピアの体が固まる。
背筋にダラダラと生ぬるい何かが流れるのがわかった。
「あ、あの…リン、さん…?」
男って……オトコ…って。
一体…どういうコト…でしょうか?
「…………(ま、まさか)」
「男」という単語がレピアの脳内をぐるぐると回る中、
「そのままの意味だけど」
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