まとまらないお話たち
第5章 5
月の光を浴びなきゃ、カラダ、戻れないはずなのに。
なんで屋内でこんな簡単に?
もしかして騙されたのか、自分は?
そもそも、あとの2人も黙ってたなんてヒドい!
「(うぅぅ~~)卑怯ですよっ。女の子に戻って下さい~っ」
無駄とはわかってても、リンの体を押し返す。
押し返すレピアの目は、気のせいか、見た目若干潤んでいる。
「なに? やっぱり女の方が恐怖感じない?」
「そーゆー意味じゃなくてですねっ」
「……あんまり騒ぐと優しくしねーぞ?」
「や…ッ……」
耳元での低い囁きに思わず力が抜ける。
濡れた舌が耳朶を這うのがわかった。
「なんだ…もう抵抗しねぇの?」
耳元でする、リンの密やかな笑い。
それにゾクリとしたものを感じながらも、レピアの顔は歪んだ。
……悔しい。
悔しいけど、早鐘を打つ心臓を鎮める術が、わからない。
わななくレピア。
けれど眉根をきゅっと寄せると、彼女はのしかかっている相手を睨みつけた。
その体を押しのけていたはずの腕は、早くも動かない状態に近い。
傍にいるだけで体温が上がるのだから、囁かれることで熱を持った顔の火照りは隠せない。
けど。
これだけは言ってやる…!
「ちゃんと……ちゃんと本命の相手がいるのに、他の女に手を出すんですかっ。私はあなたの娼婦じゃありませんっっ」
一気に叫ぶように告げると、簡素の布に包まれたレピアの体をまさぐるように動いていた青年の手が、ぴたりと止まった。
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