まとまらないお話たち
第6章 6
顔文字という、色々な記号をいくつも重ねてつくるその文字つきで書かれたメールが開かれた。
自分と同じ名前だけに何かの共通感を彼女は感じているのか、ハル子のことを友人と思っているらしい。
そんなこと、ハル子としては微塵も思っておらずこんな風に相手の用事も考えず勝手なメールをしてくるのは迷惑他ない。
しかし彼女の家は相当のお金持ち。
家が県の教育委員会の会長をやっているとかで教師も言いなりになるほど。
…逆らったら何をされるかわからない(教師はもちろん飛ばされる)。
けれど気軽にショッピングと言われても自分はまだバイトもしていないし、勝手に晴子のように金が入ってくるわけでも…あ、でも、別にない訳はないか。
絵を描くお代として、今まで貰ってきたお金。
実を言うと貯金するまでもなく、こうして晴子に誘われてお金を用意できないときにいつも使っているのだが、…今回もそうなりそうだ。
«いいよ、じゃあ30分に乃科駅西口で»
チラリと画面の時計を見て、10分なのを確認してから。
一旦家に帰って、でもちょっと準備したらすぐに出なくちゃ行けないな…良いか、別に制服のままでも。
とりあえず学校を出るのが第一。
パチンと携帯を閉じてそれから上着のポケットにしまい、美術室に戻る。
「…急用が出来たんで帰ります、さようなら」
第一約束の時間は過ぎていた、急いでひったくるように君村の手からスケッチブックを手に取り筆記用具も腕に挟む。
はた……と、君村に送ってもらうのも良いかもしれないとそんな案が出たが。
「他」の時の方がいい。
口うるさい晴子に見つかると何を言われるかわからない。
「はぁ? 用事ってお前」
「ありがとうございました」
思ったよりも見入っていたのか、急にブックをひったくったからか彼は不服そうな顔をしていたが、無視してドアの所まで行きそこで一礼して、美術室を出る。
自分と同じ名前だけに何かの共通感を彼女は感じているのか、ハル子のことを友人と思っているらしい。
そんなこと、ハル子としては微塵も思っておらずこんな風に相手の用事も考えず勝手なメールをしてくるのは迷惑他ない。
しかし彼女の家は相当のお金持ち。
家が県の教育委員会の会長をやっているとかで教師も言いなりになるほど。
…逆らったら何をされるかわからない(教師はもちろん飛ばされる)。
けれど気軽にショッピングと言われても自分はまだバイトもしていないし、勝手に晴子のように金が入ってくるわけでも…あ、でも、別にない訳はないか。
絵を描くお代として、今まで貰ってきたお金。
実を言うと貯金するまでもなく、こうして晴子に誘われてお金を用意できないときにいつも使っているのだが、…今回もそうなりそうだ。
«いいよ、じゃあ30分に乃科駅西口で»
チラリと画面の時計を見て、10分なのを確認してから。
一旦家に帰って、でもちょっと準備したらすぐに出なくちゃ行けないな…良いか、別に制服のままでも。
とりあえず学校を出るのが第一。
パチンと携帯を閉じてそれから上着のポケットにしまい、美術室に戻る。
「…急用が出来たんで帰ります、さようなら」
第一約束の時間は過ぎていた、急いでひったくるように君村の手からスケッチブックを手に取り筆記用具も腕に挟む。
はた……と、君村に送ってもらうのも良いかもしれないとそんな案が出たが。
「他」の時の方がいい。
口うるさい晴子に見つかると何を言われるかわからない。
「はぁ? 用事ってお前」
「ありがとうございました」
思ったよりも見入っていたのか、急にブックをひったくったからか彼は不服そうな顔をしていたが、無視してドアの所まで行きそこで一礼して、美術室を出る。
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