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禁断兄妹

第61章 消せない傷


今日からお母さんは北海道へ行き
何日か帰ってこない。

お父さんが入院中の今お母さんが家にいないのはすごく不安だけど
お父さんに頼まれた大事な用事らしいし
寂しいなんてわがままは言えない。

それに今日から柊が家に泊まりに来てくれる。

イベントがあるから夜遅くなってしまうけど必ず行くとメールをくれた。
不謹慎かも知れないけれど二人きりでいられるのはやっぱり嬉しくて胸が高鳴る。

晩御飯食べてくれるかな
明日の朝御飯は何がいいかな
帰りにスーパーに寄って帰ろう

そんなことを考えながら
学校が終わると直接お父さんのいる病院に向かった。

病室のドアをノックして


「お父さーんっ」


言いながらドアを開けた私は息が止まるほど驚いた。


「おや、萌。おかえり」


頬笑むお父さんのベッド脇の椅子から立ち上がったのは


「おかえりなさいませ、萌さん」


灰谷さんだった。

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