禁断兄妹
第62章 夢のチカラ・夢のカケラ
ホステスだった由奈の母親は
霧島組の会長である霧島一朗の愛人だったという。
妊娠後店を辞め由奈を生んだが
その後まもなく病気で亡くなり
由奈は霧島の一人息子である組長夫婦に
養女として引き取られる。
霧島自身の娘であることは公にされていないが
引き取った経緯やその溺愛ぶりからも明らかで
内部的には公然の秘密らしい。
霧島一朗は現在
日本最大規模の指定暴力団である海川会のナンバー3と言われており
その娘という絶対的なバックと
母親譲りの美しい容姿を持っている由奈は
組長夫婦の子供達とは一線を画する存在で
嬢と呼ばれ組員にかしずかれ
甘やかされて奔放に育っていったという。
そして記事は
こんな風に
締め括られていた。
───内部関係者によると、霧島というバックを持つYUNAには昔から縁談話が数多くあるそうだが、本命は霧島の兄弟分がいる老舗暴力団の御曹司との噂もある。
モデルとして人気急上昇中のYUNAだが、裏社会でもモテモテという訳だ。
写真は仏頂面の一ノ瀬クンと、かまわず部屋に入るYUNA。
一度は閉められそうになったドアを強引に開けさせたのには、見ていた記者もびっくり。
私を誰だと思ってるの?とでも言ったのか。
YUNA様にはモデルより姐さんのほうが似合いそうだ───