禁断兄妹
第76章 エム・オー・イー
いつの間にか後ろにいたお兄ちゃんが
壁に両手をついて
私を見下ろしていた。
髪に
顔に
雨みたいに降ってくるしずく
お兄ちゃんは私の手からそっとペンダントを取って
パチンと蓋を閉めると
首にかけた。
鍛え上げられた
美しい上半身
くっきりとした筋肉の陰影に彩られた
滑らかな肌に
水滴が綺麗な玉になって散り
流れていく。
「‥‥萌のエッチ」
?!
お兄ちゃんはふふっと笑いながら後ろを向いて
手に取ったタオルを
腰に巻いた。
「きゃあああっ!!!」
「ふふ、叫びたいのはこっちだよ」
「きゃー!!!ごめんなさいごめんなさい!!何も見てない、見てないよー!!」
私はユーティリティを飛び出した。
エム・オー・イー
エム・オー・イー
MOE
萌
あれは
私の名前