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───親愛なる由奈へ


由奈、オヒサ！

元気にしてる？

色々あってこの手紙を書いています。

由奈に会えなくなって七年が経ったね。

俺は今モデルの仕事より

フォトグラファーの仕事をメインにしているよ。

だから、あいつ雑誌とかで見なくなったなーって思ってるかもだけど

ちゃんと元気にやってるからね。

由奈は元気ですか？

結婚したと聞いた時はとてもびっくりしたよ。

幸せかな。

幸せだといいな。

由奈、実は頼みごとがあるんだ。

七年前、柊兄の妹が霧島組の組員に襲われたことがあったよね。

今はもうそのことをどうこう言う気はないから、辛い気持ちになるのはやめにしよう。

ただ、その時に

とても大切な手紙を奪われていたことがわかってね。

その手紙は妹と柊兄にとって、この上もなく大切な手紙だったんだ。

俺は今、それをどうしても取り返したいと思っている。

調べたところ、妹を襲った男は

今は組長になっているみたいだね。

組長ともなると俺みたいな一般人とは会ってくれないよね。

だから由奈から頼んで欲しいんだ。

組長に直接会って、手紙を返してくれと言って欲しいんだ。

電話とかじゃなくて、直接だよ。

組長の気持ちを動かす為に、由奈が直接会って頼んで欲しいんだ。

これは由奈にしかできないことなんだよ。

できれば早く取り返したいけど、タイミングは由奈に任せる。

七年前のことを今更と言うかも知れないけど

今だからこそどうしても必要なものなんだ。

勝手なことを書いて本当にごめん。

でも俺は勝手なヤツだって由奈はよく知ってるよね。

頼むよ由奈

力を貸してくれ。

P.S
俺の電話番号を書いておくから

もし電話できるなら声を聞かせてくれたら嬉しい。


和虎───