禁断兄妹
第9章 運命の出会い
「会わせたい人がいる」
小学四年の夏休み初日
珍しく俺と夕飯をとっていた父さんにそう言われた時
俺はピンと来た。
「女の人?」
俺の言葉に
父さんは軽く顔をしかめた。
「‥‥そうだ」
「なに、再婚するの?」
「‥‥」
あからさまに苦虫を噛み潰したような表情
そのまま黙っているところを見ると
図星らしい。
「母さんが死んでから、まだ三年も経ってないね」
俺は冷めた口調で畳み掛けた。
早くに母親を亡くしたせいか
俺には所謂子供らしいところが一切なく
自分でもわかっていたがひどく生意気で
同級生の誰よりも大人びていた。
「まず会うだけだ‥‥再婚とかそんなこと、何も言ってないだろう」
父さんは横を向いてため息をついた。