禁断兄妹
第81章 つがいの鳥③
「一ノ瀬柊の身の安全と、俺の指の為に、神楽臨一朗との結婚を決めたと、俺は後で知りました。それは本当ですか」
「今更そんなことを聞いてどうするの」
「知りたい」
「七年も前のことだからよく覚えてないけど、そうだったかも知れないわね」
「どうしてそんなことをしたんですか」
「あの時はそうするより他になかったのよ」
「あの時はそうするより他なかった。あの時は。
でも七年が過ぎた今はどうですか?
一ノ瀬柊は安全に暮らしている。俺は組長となりケジメを取ることはあってももうつける側ではない。会長も帰って来いと言っている。
どうです、あなたが神楽に嫁いだ理由は、今はもう全て消失している」
「何が言いたいの」
「霧島に帰ってきなさい、嬢」