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禁断兄妹

第84章 愛してない



「お前と、共に生きていける道を、探したい」


修斗の瞳が
声が
私を求める


「万に一つだとしても、探したい」


目の前に差し出された
血の滴るような
剝き出しの心


「時間をくれないか」


先の約束をしたくないと言っていた修斗
今は
祈るような瞳を
私へ向けて


「‥‥その前に、言うことがあるんじゃない‥‥?」


込み上げる涙に
揺れて滲む修斗を
睨むように
見つめ返した。

甘く瞳を細め
苦笑いした修斗

その微笑みを
真摯なものに変えた。


「‥‥愛してる‥‥」


「うん。私も、愛してる‥‥っ」


互いに伸ばし合った両手
強く
強く
抱き合った。


「お前には敵わない‥‥由奈‥‥」


私は回した両手に
ぎゅっと力を込めた。

柔らかなガウンに
熱い涙が
染みてゆく。

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