禁断兄妹
第9章 運命の出会い
思いもしなかった展開に
俺は軽いパニックに陥っていた。
聞いてないぞ
俺は聞いてない
父さんに視線を投げると
ぎこちなく逸らされた。
「その内起きるだろうし、とりあえず車に乗ろうか。柊、後ろのドア開けろ」
「え、あ、ああ」
俺は運転手のように後部座席のドアを開けた。
「ありがとうー」
君島さんは胸に抱えた子供に気を配りながら
静かに車に乗り込んだ。
君島さんが乗った反対側の座席に
椅子のような物が置かれている。
君島さんはタオルケットの塊をそこへ置くと
パチンとベルトを締めた。
チャイルドシートだ
設置してあったなんて気がつかなかった。
もう家族みたいだなおい
俺はその光景を呆然と見ていた。