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禁断兄妹

第9章 運命の出会い


「おい、柊、携帯しまえ」


父さんの声に顔をあげると

父さんと
その後ろに
両手で胸に大きな荷物を抱えた
一人の女性。

俺は携帯をポケットにしまうと二人に向き直った。


「これが柊。今小学‥‥」


「‥‥四年です。初めまして」


いつも俺の学年を忘れる父さんに変わって言葉を続けると
俺はぺこりとお辞儀をした。


「こちらこそ初めましてー。君島美弥子ですー」


女はのんびりした調子でそう言うと
深々と頭を下げた。

美人だ

俺は正直驚いていた。

今年三十と父さんは言っていたが
ぽわんとした雰囲気のせいか
若くて可愛らしく感じる。

まだ劣化してないにしても四十の父さんの再婚相手には
とても見えなかった。


「お話はね、お父さんからよく聞いてたんだけど‥‥お父さんにそっくりねー。
 うふふ、イケメンだし四年生にしては大人っぽくて、背も高いねぇ」


美人だが
喋るとのんびりした感じが強調されて
ちょっと不思議なかんじの女だ。


「あ、そしてこの子が娘の萌ですー。二歳ですー」


君島さんはあっけらかんと言葉を続けた。

は?

ムスメ?

モエ?

君島さんは
よいしょー、と言いながら
両手で胸に抱いていた物体を片手で支えて
もう片方の手でタオルの上の方をめくった。

柔らかそうな髪の毛が現れて
俺は度肝を抜かれた。

子供‥‥っ


「ぐっすり寝ちゃってるんですー。だからタオルケットごと連れてきちゃって」


君島さんはそう言いながら
俺に子供の顔を見せようと身体の向きをあれこれ変える。

俺は後ずさりした。

バツイチ子持ち‥‥

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