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禁断兄妹

第88章 ギフト



「萌さん、一度目を開けましょうか‥‥呼吸を続けながら‥‥」


目は

開いてる

私を追い越し目の前に立ち塞がった
知らない男の人を
見上げている


───柊に頼まれてね。連れ戻せないなら、せめて病院まで送ってやってくれって───


───聖××病院だろう?柊からちゃんと聞いてる。さあ、急ごう───


嘘よ
全部嘘だったの

騙されたの


───もがき苦しむ姿を一ノ瀬柊に見せてやれ。
 自分の顔を切り裂かれる以上の苦しみを、あいつに与えてやれ。
 
 ‥‥それがお前の役割だ───


全身の血が
音を立てて引いていく

ぐにゃりと世界が歪む
強烈な眩暈

上も
下も
わからないほど


───写真は後で全部あいつに送信してやる‥‥じっくり眺めた後は証拠写真にでも使えばいい。
 臭い飯を食おうがいくら金を請求されようが、俺は構わない───


まざまざと蘇った
男の舌の感覚
煙草の味

胸を掴んだ冷たい手


───さて挿入れるか‥‥───


私の入り口を
押し広げた指先


「うウ‥‥ッ!!」


吐きそ


吐く

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