禁断兄妹
第91章 禁兄 The Final~Love Never Dies~①
───ごめんね、柊‥‥───
───七年もあなたを一人にして、ごめんね‥‥───
私がそう言った時
見開かれたままの美しい瞳は
打ち寄せた涙にさざ波を打ち
小さく震え
煌めいた
唇を結んで
謝らなくていい、と言うように
首を振った柊
言葉はなくても痛いほどわかるの
この七年間
あなたがどんなに辛かったか
どんなに孤独だったか
私が襲われたことも
記憶を失ったことも
自分のせいだと自分を責め
それこそ気が狂いそうなほど
苦しんでいたはず
王者のような余裕たっぷりの微笑みの裏側で
どれほどの葛藤を抱えて生きてきたのか
考えただけで
胸が張り裂けそう
───願わくば、姫の永遠の愛を頂きたい───
───私の愛は、永遠にあなたのものです───
七年前のあの日
二人で誓った永遠の愛
その誓いのままに
二人の名を刻んだリングをずっと身につけ
気が遠くなるような夜を越え
私を待ち続けてくれた柊
ありがとう
泣きたいくらいあなたが好き
大好き
愛してる
何度愛の言葉を重ねても
足りない気がする
柊
あなたの心も
身体も
強く
強く
抱きしめたい