禁断兄妹
第9章 運命の出会い
父さん緊張してたのかな
ごめんな父さん
いつも生意気ばかり言って
でもこれからは
俺
少し変われる気がする
少しだけど
萌を大事にしたいし
ちゃんと育てたい
小さくて
少し発達が遅れてる萌
確かにあいつには家族が必要だ
まあ父さんは変わらず仕事が忙しいだろうから
俺が守ってやるんだ
父さんの好きな古い洋楽が
小さな音量でかかっている車内
俺は目を閉じた。
母さん
俺
再婚に賛成したよ
いいよね
母さんが優しく笑って頷く
その笑顔が
なんとなく
萌と似てる気がする
そっか
萌の奴
母さんに少し似てるんだ
だから俺
お前が気に入ったのかな
きっと美人に育つぞ
楽しみだ
萌の笑顔や
笑い声を思い出すと
ふわふわと心が浮き立つような気がした。
萌
お前に早くまた
会いたいよ