禁断兄妹
第10章 時は流れて
しばらく立ち話をした後
賑やかな彼女達と別れて
俺達はまた歩きだした。
「あーびっくりしたあ」
萌はふうと息をついた。
「萌の友達、みんないい子で安心したよ。良かった」
これは本音だ。
萌の中学入学を機にこの街に引っ越して来たから
小学校からの友達は周りにいない。
孤立していないか
いじめられたりしていないか
萌は引っ込み思案なとこがあるから少し心配だった。
「部活の一年生ってみんなすっごく仲がいいの。今日の夜店も一緒に行かないかって誘われてたんだ」
「そうか‥‥みんなと行きたかった?」
「んーん。久しぶりにお兄ちゃんと二人で出かけるの、楽しみにしてたから」
萌がえへへっと笑う。
まったく
なんて可愛いんだ
浴衣姿と薄化粧も相まって
俺はいつにも増して
メロメロだ。