禁断兄妹
第10章 時は流れて
「みんな萌と同じクラスなの?」
「あ、同じ部活なんです」
「へえ‥‥吹奏楽だっけ。みんな楽器できるんだ」
俺がみんなの顔を見回すと女の子達が口々に
私クラリネットです!とか
オーボエです!とか言いながら
はいはーいっと手を挙げる。
可愛いな
「萌ちゃんのフルート、一年生なのにすっごく上手なんです」
一人の声にみんなが頷く。
「やだ、そんなことないよっ」
萌は照れて手を振った。
「萌はまだヘタクソだろうけど、みんなこれからも萌のことよろしくね。仲良くしてやって」
俺の言葉に女の子達は目をキラキラさせて
はーい、と素直に返事をする。
「いいなあ萌ちゃん、こんなに優しくてカッコいいお兄さんがいて」
誰かの声に
ホントーとか
だよねーとか言いながら
女の子達はうんうんと頷く。
萌は恥ずかしそうに俯いた。
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