禁断兄妹
第11章 ときめき
暗くなり始めた空
俺達は神社が見えるところまでやって来た。
「わー、すごい、明るいー」
入口から境内までずらりと並んでいる夜店
煌々と灯りが連なり
辺りを明るく照らしている。
「結構人が多いな。はぐれるなよ」
「うん」
俺のジャケットの裾を掴む萌
別に腕に掴まってもいいのに
可愛い
「今日は何でも好きなもの、食べていいんだよね?」
俺のジャケットを引っ張って
笑顔で俺を見上げる。
「ああ。好きなもの、何でも買ってやるよ」
「わーい!」
俺の言葉に
本当に嬉しそうに
ウサギのように小さく跳ねる萌
こんなことが
そんなに嬉しいのか
可愛いと思うのと同時に
俺は少し複雑な気持ちになった。