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禁断兄妹

第11章 ときめき


萌はゆっくりと味わうようにクレープを食べながら
髪飾りやイヤリング
ペンライトみたいな光る棒
アイドルの缶バッチ
そんなものを欲しがった。

俺にとってはなんてことない物ばかりだったけれど
とても嬉しそうな萌の笑顔に
俺は満足した。

そして萌は俺とたこ焼きを半分ずつ食べた後
すごい色のアイスクリームが乗ったすごい色のかき氷を食べて
とても上機嫌だった。

普段なら俺が絶対に許さないような代物だ。


「‥‥萌、舌出してみ?」


「?」


萌が素直に舌を出した。


「はは、そのかき氷と同じ色になってる」


「ホントー?」


こんなの食べたことないから知らないんだろう。


「ほら、こんな風になるんだぞ」


付き合って同じものを食べている俺は舌を出した。


「わー!」


萌が爆笑する。


「笑ってるけど、萌もこうなってるんだぞ」


「うそー」


自分の舌を大きく突き出して
自分で見ようとする。

バカみたいで
可愛い

可愛過ぎて
嫌になる。

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