禁断兄妹
第11章 ときめき
俺は萌を大事にしているつもりで
縛りつけていたのかも知れない
俺の言うことを素直に聞く萌にいい気になって
萌の自由を奪っていたのかも知れない
もう中学生になったんだ
いつまでもあのちっちゃな萌じゃない
もっと萌の好きにさせてやるべきなのかな
食べ物だって
彼氏だって
ほろ苦いような
切ないような気持ちが込み上げてきて
俺は手を退いて
萌から目を逸らした。
「‥‥お兄ちゃん?」
「さてと。今日は特別だからな。欲しいもの、何でも言えよっ。全部買ってあげるから」
萌の背中をぽんっと叩いて
俺は笑った。