禁断兄妹
第11章 ときめき
帰り道
俺達は星を数えながら
ゆっくりと歩いた。
萌は美弥子へのお土産にと買ったわたあめを片手に
もう片方の手は
すっかり神社から離れて人通りのない道を歩いているのに
俺のジャケットの裾を
つまむように掴んだままだった。
「さっき私の友達が、お兄さんですかって言ってたでしょ」
萌が口を開いた。
「ああ。そうだったな」
「私がね、お兄ちゃんがモデルをしてること、みんなに話したの。そしたら見たい見たいってすごく盛り上がっちゃって‥‥
お兄ちゃんが載った雑誌をこの前見せちゃったの‥‥ごめんなさい」
「別にかまわないよ」
ちょっとすまなそうな顔をしている萌に
俺は微笑んだ。
俺のことを友達に話していたなんて
意外だった。
「自慢の兄ですって、言ってくれた?」
「うん。コンビニで立ち読みしたんだけど、みんなびっくりして、キャーキャー言ってたよ。今日会っちゃったから、明日の学校で色々言われそう」
まあ、悪い気はしない。
「何タイミングで俺の話になったの?」
「うーん、理想の男の人とか、そんな話‥‥私がお兄ちゃんみたいな人って言ったから」
萌がふふっと笑った。
「え、え?」
思ってもみなかった言葉に俺はドキッとして
不覚にも声が上ずった。