
禁断兄妹
第11章 ときめき
「私‥‥小さい頃、お兄ちゃんと結婚するーって、言ってたよね」
「‥‥ああ」
あれ
覚えてるのか
「幼稚園の頃かなあ。本当にできないって知った時、すごくショックだったの覚えてる」
俺の動揺をよそに
萌は夜空を見上げながらクスクス笑う。
「お父さんもお母さんも、最初からそう言ってたのに、全然理解してなかったの。小さい頃からバカだったのね、私」
そんなことを萌が話すのは
初めてだった。
俺は言葉もなく
胸を高鳴らせながら
萌の横顔を見ていた。
「今でもね‥‥お兄ちゃんは私の理想の人なの‥‥」
萌はポツンと呟いて
照れ笑いした。
理想の人
俺が
本当に
萌
気がついたら
俺の足は止まっていて
萌の綺麗な瞳を
覗きこんでいた。
「お兄ちゃん‥‥今日はありがとう」
