禁断兄妹
第12章 コイワズライ
「‥‥恋患いね」
「うわっ!」
突然頭の上から声がして
俺は飛び上がった。
「ちょっと何ーその漫画みたいなリアクション」
振り返ると
和虎が手を叩いて笑っていた。
「和虎ぁ‥‥いきなりびっくりするだろ」
「さっきからいたけど」
「‥‥」
俺は倒してしまった椅子を直しながらため息をついた。
「なんだよ今日撮影あったのか」
「うん。この後」
撮影スタジオのメイク室
前の撮影が押していて
俺は休憩を与えられていた。
目の前にはどでかい鏡があったというのに
後ろをとられるなんて
余程俺はボンヤリしている。