禁断兄妹
第12章 コイワズライ
「悩ましい顔してたわよー‥‥ため息ばっかりついちゃって」
いつから見てたんだ
「何かあったのね‥‥萌とっ」
和虎は内緒話をするように
口の横に手をつけて囁いた。
「‥‥いや、別に」
萌、という言葉に反応してしまう俺に
和虎はクスリと笑う。
「柊兄って、意外と素直だね。顔に出る」
俺は口元を片手で覆って
和虎の視線を避けるように横を向いた。
「恋だわねー。あんなアホ面晒しちゃって」
「‥‥るせーよ」
「好きって言ったの?まさかやっちゃった?」
「何をだよ。アホか」
俺は立ち上がるとメイク室を出た。
和虎も俺の後を追う。
「じゃあ何よ。教えてよー気になるよー」
「‥‥」
無言のまま歩いて喫煙室へ
和虎も続いて入ってくる。
中にいた人が入れ替わりに出て行って
俺達は二人きりになった。
ポケットからタバコを取り出し一本くわえ
和虎にも箱を差し出す。
「サンキュ」
和虎は一本抜き取りながら
「柊兄タバコやめるんじゃなかったっけ」
「やっぱ無理」
「ふふ」