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禁断兄妹

第14章 地獄への入り口


一瞬動きを止めた俺に
父さんが早口で畳み掛ける。


「頼む、悪いのは俺一人だ、俺を好きにしろ‥‥っ」


父さんは俺を見たまま床に膝まずくと
まっすぐに俺を見上げた。


「今まで黙っていて本当にすまなかった、許してくれ、この通りだ‥‥!!」


俺の目の前で
父さんは床に手をついて頭を下げた。

床に散らばった
無数のガラスと陶器の破片

その上に膝を折って
手をついた父さん
身体のあちこちから血が滲んでいる。

それを目にした俺は
身体中から力が抜けていくのを感じた。

めちゃくちゃになった室内
傷だらけで
丸くなっている父さん

これは現実なのか

ここはどこだ

地獄なのか

目眩が
する

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