
禁断兄妹
第15章 嫉妬‥‥暗い炎
「‥‥本当に萌を置いて行く気かよ。俺はもうここには来ないかも知れないぜ?」
そう言いながら俺はもう
萌に会いたくて
会いたくて
頭が痺れていた。
「その時はその時だ。俺の口から萌に、お前が出て行った理由を話すまでだ」
「‥‥」
「とにかく俺は美弥子を連れて明日家を出るから。後はお前次第だ」
父さんとの電話を終えて
俺は軽い放心状態だった。
そんなに俺に戻ってきて欲しいのか
俺は少し意外に感じていた。
この家に戻るつもりはない
でも
最後に少しだけ
萌と過ごすことができれば
この想いも
消化することができるだろうか
