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禁断兄妹

第15章 嫉妬‥‥暗い炎


俺の歩く先に
北森がいる。

緊張の面持ちで俺をじっと見ている。

手の早そうな顔


「こ、こんにちはっ」


北森は俺に頭を下げた。

俺は足を止めずに
軽く会釈をしながら
かけていたサングラスを下にずらした。

顔を上げ俺の目を見た北森が
直立不動の姿勢で固まる。


「‥‥萌に触らないでくれる‥‥?」


すれ違いざま
俺は低い声で
囁いた。

北森はびくっと肩を揺らすと
慌てて下を向いた。

俺はそのまま
その場を立ち去った。

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